車のメーターパネル。いまの速さを指す速度計と、走った距離を積算するカウンター

「速い」と「ギガを使う」は、別の話


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「5Gにしたら、ギガの減りが速くなった気がする」。

そう感じたことがあるなら、たぶん2つの数字が混ざっています。Mbps と GB。 どちらも通信の話に出てきますが、測っているものが違います。

混ざったままだと、回線を「速いほど、たくさん使える」という一本の軸で選ぶことになります。 実際には軸が2本あって、自分がどちらでつまずいているかで、選ぶものが変わります。

100Mbps と 100GB は、測っているものが違う

  • 通信速度(Mbps) … 1秒あたり、どれくらい運べるか
  • 通信量(MB・GB) … 結果として、どれくらい運んだか

ややこしさの一因は、単位の字が似ていることです。Mbps の小文字 b は bit(ビット)、MB の大文字 B は Byte(バイト)。 この2つは 8bit = 1Byte の関係にあるので、10Mbps は1秒あたり約1.25MB を運べる速さ、 という意味になります。

この2つが決まると、3つ目が自動的に決まります。

かかる時間 ≒ 通信量 ÷ 通信速度

速度は「どれくらいの勢いで運べるか」、量は「どれくらい運んだか」、時間はその割り算。 「増えた」「減った」の話をするときは、まずこの3つのどれの話かを決めると、 だいたいの混乱はほどけます。

回線を速くしても、同じ動画のファイルは大きくならない

いちばん確かめやすいのがここです。少年野球1試合ぶんの動画(1080p・90分で 約5.4GB)を、上り10Mbpsの回線と100Mbpsの回線で送ってみます。

上りの速さ送り終わるまで送った量
10Mbps1時間12分5.4GB
100Mbps7分5.4GB

送り終わるまでの時間(同じ動画・同じ量)

上り10Mbps
0分1時間12分
1時間12分
上り100Mbps
0分1時間12分
7分

送った量はどちらも5.4GB。動いたのは上の尺だけです。

10倍速い回線にしても、5.4GBは5.4GBのまま。 動画の中身が減るわけでも、圧縮されるわけでもありません。

変わったのは、待ち時間だけ。

ここまでが「別の話」と言える部分です。

でも、速くしたあとにギガが増えることはある

一方で、冒頭の「減りが速くなった気がする」という感覚がまったくの錯覚かというと、 そうとも限りません。増えるとしたら、理由は回線ではなく行動のほうにあります。

  • 待たされないので、画質を上げる(アプリの自動画質は回線の状況を見て決めることがあります)
  • 途中で止まらないので、見る本数が増える
  • 「あとで家のWi-Fiで」にしていた送信を、その場でやるようになる

つまり「速い回線だからギガを食う」ではなく、 「速いと、ギガを使う行動を選びやすくなる」。 主語が回線ではなく自分のほうにある、というのがこの節の要点です。

だからここは、プランを見直す前に自分の使い方を思い出すところでもあります。 速くなってから何を変えたか。変えていないなら、増える理由もありません。

「見る」と「送る」で、つまずく側が違う

軸が2本あると分かると、自分がどちらでつまずいているかも分けて見られます。

動画を見るときにぶつかるのは、たいてい量のほうです。 月の上限を超えると速度制限がかかり、その結果が料金や画質として表に出ます。 時間はあまり問題になりません。受け取りながら見ているので、 送り終わるのを待つ場面がないからです。

動画を送るときにぶつかるのは、時間のほうです。 容量が残っていても、送り終わらなければその場では渡せません。 待てないぶんは、送らなかった動画として消えていきます。

同じ「回線を替えるべきか」でも、確かめる数字が違います。 月の使用量を見るのか、その場での待ち時間を見るのか。

単位を分けても、解決しないこと

速度と通信量を分けて考えられるようになっても、残る問題があります。

  • 電波が届かない場所では、速度も通信量も関係ありません
  • 混雑する時間帯に、契約上の速度がそのまま出るとは限りません
  • ファイルが大きいこと自体は変わらないので、送るものを選ぶ手間は残ります

回線で買えるのは「運べる勢い」と「運べる総量」までで、 この3つはどちらの数字でも解けません。速い回線に替えたのに何かが変わらなかったとき、 たいていの原因はこちら側にあります。

CHECKEDNTTドコモの案内より

くわしく確かめる自分がぶつかっているのは、量のほう? 時間のほう?月によって使う量が変わる人の話。平均ではなく「いちばん多い月」で考えると、今のままで足りるかが見えてきます。

よくある質問

Mbps と GB は何が違いますか?
測っているものが違います。Mbps(メガビット毎秒)は通信速度で、1秒あたりどれくらいのデータを運べるかを表します。GB(ギガバイト)は通信量で、結果としてどれくらい運んだかの合計です。単位の b は bit、B は Byte で、8bit = 1Byte の関係にあります。10Mbps は1秒あたり約1.25MB を運べる速さ、という読み方になります。
回線を速くすると、使うギガも増えますか?
回線を速くしただけでは、同じ動画のファイルが大きくなることはありません。上り10Mbpsで1時間12分かかる5.4GBの動画は、100Mbpsなら約7分で送り終わりますが、送った量はどちらも5.4GBです。ただし速くなったあとに画質を上げる、待たずに動画を見る本数が増える、といった行動の変化が起きると、結果として使う量は増えます。変わるのは回線ではなく使い方のほうです。
スピードテストを何度も押すと、ギガは減りますか?
減ります。NTTドコモは、ドコモスピードテストアプリで1回計測すると発生するデータ通信量を「平均25MB程度、通信速度が速い場合は最大75MB」と案内しています(2026年9月1日確認)。測定は決まった量か秒数までデータを実際に送受信して速度を計算するため、回線が速いほど1回あたりの通信量が大きくなることがあります。
「見る」ときと「送る」ときで、気にする数字は変わりますか?
変わります。動画を見るときにぶつかるのは通信量のほうで、月の上限を超えると速度制限がかかります。動画を送るときにぶつかるのは時間のほうで、容量が残っていても送り終わらなければその場では渡せません。同じ「回線を替えるべきか」でも、確かめる数字が違います。
速度が上がれば、通信の悩みは解決しますか?
解決しないものがあります。電波が届かない場所では速度も通信量も関係ありません。混雑する時間帯に契約上の速度が出るとは限りませんし、ファイルが大きいこと自体は速度では変わらないので、送るものを選ぶ手間は残ります。速度と通信量を分けて考えても、この3つは別の問題として残ります。